3年以内の相続登記の申請義務化
相続(遺贈も含む)により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられました(不動産登記法第76条の2第1項)
また正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料の適用対象となることとされました(同法第164条第1項)
いつから3年か?
ここで大切なのは、いつから3年なのかです。単に自己が相続人になることを知ったことだけでなく、具体的に不動産を取得したことを知って初めて発生します。
では、3年たつとすぐに過料の制裁が来るのでしようか。そうではありません。登記官は、相続登記の申請義務の違反を把握した場合、違反したものに対し、相当の期間を定めて相続登記の申請をすべき旨を催告します。催告したのにも関わらず、正当な理由なくその期間内にその申請をしなかった場合、管轄の地方裁判所にその事件を通知するものとされています(不動産登記規則第187条第1号)
過料は課されるのか?
次に登記官は、どのようにして相続登記の申請義務に違反したことを知るのでしょうか。
法務省のホームページを引用します。
登記官は、次の(1)又は(2)を端緒として、相続登記の申請義務に違反したと認められる者があることを職務上知ったときに限り、申請の催告を行うものとされています。
(1)相続人がある不動産について遺言の内容に基づく所有権移転登記の申請をしたが、その遺言書には別の不動産も登記申請した相続人に相続させる旨が記載されていたとき
(2)相続人がある不動産について遺産分割の結果に基づく相続登記の申請をしたが、その遺産分割協議書には別の不動産も登記申請した相続人が相続する旨の記載がされていたとき
この上記(1)(2)はかなりレアケースと考えられます。上記(1)(2)以外の場合は、申請の催告を行わないということです。ですから、この通達に従えば、過料はかなり限定的な場合に課されることになるはずです。
ただし、通達は変更されることもあります。令和8年4月1日からは登記簿に名義人の死亡情報を紐づける制度の新設おこなわれています。現時点では過料がかせられる可能性は低いと考えますが、今後どのように変更されるかわかりませんので、相続登記をやっておいたほうがよいでしょう。